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 2009年度 さいたま緑のトラスト運動指導員養成研修

■日時 平成21年8月30日(日)~11月28日(土) 全6回
■会場 
トラスト保全地を含む県内各地
■参加 受講生 27名(うち修了生25名)
※ 研修日程表はこちら

 さいたま緑のトラスト運動指導員養成研修は、ボランティアスタッフとして活動するにあたってトラスト運動を推進する指導者を養成するための研修会、つまりは将来のリーダーのタマゴを養成する研修会です。
 参加者は保全活動初心者の方が大半ですが、今年度は日程が全て土日という事もあって参加人数も多く、例年以上に活気に満ちた研修会となりました。

 研修報告 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回

第1回研修 

日時 平成21年8月30日(日) 9:30~15:15
会場 埼玉会館5B会議室

 残暑が厳しい折に小雨のぱらつく天気と、開講にあたっては今ひとつの天気でしたが、そんな天気をものともしない元気な研修生の皆さんに、講師も気合い十分。充実した講義内容で、あっという間に一日が過ぎました。
 1限目は「トラスト地の特性とその活用術」に関して、協会理事であり、山村学園高等学校校長でもある牧野先生の講義でした。トラスト地でどんな活動ができるのかという事と埼玉県の稀少植物、環境の概念をからめた内容でした。トラスト地での活動については、研修生の皆さんに直接記入頂き、集めたアンケート結果が次回の牧野理事の講義内で発表されました。
 2時限目は「埼玉県の環境行政」について櫻井郁夫県みどり再生課長より講義がありました。環境行政とは何か、地域的な公害から地球環境問題までを含め、埼玉県としての取り組みや協会との関係を説明して頂きました。
 3時限目はトラスト協会の梶間幹一郎評議員による、「緑のトラスト運動と協会の歩み」についての講義でした。ナショナルトラスト運動の発祥や、日本でのトラスト運動について、そして協会設立の経緯や現在の活動などについて学びました。
 4時限目は三上幸子講師による「野外活動での安全の確保」についての講義でした。三上講師の実体験を交えながら、活動における安全確保の重要性や、実際のポイントなどを学びました。





第2回研修 

日時 平成21年9月20日(日) 9:00~15:30
場所 埼玉県自然学習センター講義室、北本自然観察公園

 第2回講義は前回とはうって変わっての晴天。この日は野外での自然観察もあり、天気が良くて何よりでした。
 1限目はCONEのトレーナーであり、ガールスカウト日本連盟埼玉県支部のトレーナーでもある棚橋京子講師から、「自然体験活動の理念」についての講義がありました。この講義は自然体験活動指導者(CONEリーダー)という資格認定の為の必須科目でもあります。
 2限目から4限目には、牧野先生による講義と実技でした。第1回研修でのアンケート結果をもとにしたトラスト地での活動についての講義や、トラスト地の大多数である雑木林の変遷や保全の在り方について、植物観察のポイントなどを室内講義で学び、その後実際に野外に出て植物を中心とした観察を行いました。事前に牧野先生が観察ルート上の植物をチェックして作成した、植物の葉の特製図鑑を見ながら植物の観察を行いました。





第3回研修 

日時 平成21年10月3日(土) 9:50~15:30
場所 早稲田大学 所沢キャンパス

 第3回講義は早稲田大学所沢キャンパスで行いました。一時は雷まで鳴るなど朝から降ったりやんだりの天気模様。今年の研修はどうも雨に好かれているようです。
 この日の講師は大堀先生です。大堀先生は協会理事であり、早稲田大学自然環境調査室調査主任・講師でもあります。
 午前中は室内で「自然体験活動指導の視点」について、生物の多様性や雑木林の保全など、早稲田大学所沢キャンパスを具体例とした講義でした。
 幸いにも午後には雨が止み、予定通り野外実習を行う事ができました。「自然体験活動の実際」という事で、実際に所沢キャンパス周辺林を観察しながら、所沢キャンパス周辺林の保全方法や、キャンパスの環境への配慮などを学びました。





第4回研修 

日時 平成21年10月24日(土) 8:50~16:00
場所 さいたま市農業者トレーニングセンター、トラスト保全第1号地

 第4回研修はトラスト保全第1号地に近い、さいたま市農業者トレーニングセンターで行われました。
 1限目は行政書士の吉岡勇講師より「危機管理マニュアル」として、実際の集団活動におけるリスク管理や、保険の重要性についての講義でした。
 2限目、3限目は協会理事であり、県立上尾鷹の台高等学校教諭である小峯先生より「埼玉の動物の現状」と「体験活動普及啓発方法論」について講義をして頂きました。先生の行っている野鳥の調査や7号地での活動を具体例として、埼玉県内の稀少動植物や、トラスト運動の意義について学びました。
 4限目は事務局スタッフであり、森林インストラクターである西川事務局員による「参加者に応じた指導要領」の実技が行われました。研修生が班毎に分かれて行った討議では、トラスト地での保全管理活動や自然観察会での課題や対応等を話し合い、結果の発表を行いました。
 5限目はトラスト保全第1号地の体験散策を行いました。1号地の先輩ボランティアスタッフが中心となり、1号地内の植生や、普段の保全活動をどのように行っているかを学びました。





第5回研修 

日時 平成21年11月14日(土) 9:15~16:00
場所 トラスト保全第3号地、国立女性教育会館

 この日も朝から雨。一日をとおしてトラスト保全第3号地で野外実技の予定でしたが、指導員研修が始まって以来初の野外実技中止となってしまいました。
 1限目は「埼玉の自然の姿」と題して、第2回指導員研修に引き続き、牧野先生による野外での自然観察の実技でしたが、雨のため、3号地で植物の実の収集を行い、それを国立女性教育会館に持ち帰って、牧野先生が作成された植物の実図鑑を見ながら植物の分類を行うことになりました。実際の生態を観察することは出来ませんでしたが、班毎に集まってじっくり時間をかけて観察することが出来たため、実の細部に至るまで詳しく確認出来ました。また、牧野先生をはじめ、3号地の先輩ボランティアスタッフの皆さんが丁寧に植物の解説をして下さいました。
植物の収集については専門家の指導のもと、生態系に影響を与えない程度で行っています。
トラスト地では通常、保全管理以外の目的で植物収集を行う事は出来ません。
 2時限目は林材業労働災害防止協会技能師範の上野德也講師より「自然遷移と間伐」に関して説明を頂きました。予定では野外で実際に間伐実習を行う筈でしたが、こちらも雨のため危険ということで室内での研修となりましたが、実際に現場で使う道具を持ってきて頂き、上野講師の実体験を交えながら道具の使い方や、作業時の安全確保等、細かく丁寧に指導して頂きました。




第6回研修 

日時 平成21年11月28日(土) 8:45~14:00
場所 さいたま市民会館うらわ

 いよいよ今年の指導員研修も最終日です。
 1限目は協会理事長であり、東京農業大学教授の進士五十八先生より『ボランティア時代の緑のまちづくり』と題した講義を受講しました。緑とまちづくりに関するお話しや、楽しいからボランティアスタッフをする等、これから活動を始める研修生にとって大切なボランティアスタッフとしての在り方に関しての講義でした。
 2限目は日本赤十字社、中根彰子講師による「救急手当と応急手当」の実技でした。模擬訓練用の人形を使い、人口呼吸や心臓マッサージの方法、AEDの使い方を学びました。
 そして、午後に研修の修了認定証書交付式を行いました。ここまで、暑い日も雨の日も頑張って研修を受けてこられた研修生の皆さん、大変お疲れ様でした。今後の緑のトラスト運動での活躍を期待しております。



~研修を終えて 研修生感想~
研修生 黒川敦
 埼玉に住みはじめ5年経ち、地元と呼べるようになったこの地に貢献したいと考えていました。そんな時、新聞の小さな枠で“さいたま緑のトラスト協会”を見つけました。全国でも歴史が長く規模が大きいことから、早速申し込みました。といってもトラスト運動に関する知識ゼロ、経験ゼロ、唯一あるのはやる気だけで、不安でいっぱいでした。
 この不安は杞憂でした。講師のわかりやすく丁寧な講義に始まり、実際にトラスト地をめぐり、雑木林や草花、動物の現状を目や手で触れながら知識を増やすことができました。特に3号地での“秋の実覚”では1時間の散策で35種類もの植物の実を班で集め、感動しました。いつしか仕事と関係なく、純粋にボランティア精神で成り立っているこの集まりが心地よく、研修が楽しみになりました。あっという間に終了してしまったのは、研修が充実していたといえます。このような機会をいただき、本当にありがとうございました。
今後トラスト地で保全運動を開始します。多くの方々と共に楽しく活動し、そしていつかは“トラスト運動で地元に貢献している”と大きな声で言えるようになりたいと思います。

研修生 鈴木由香
 オゾン層の破壊、地球温暖化、酸性雨など様々な環境問題を報道や新聞等で目にする中、美しい星地球を守るためにどんなことをすれば良いのか、私にも何かできることはないのか、その答えを見つけ出す為に、今回研修へ参加致しました。
 研修では、私達の身の回りにある身近な森を知ることから始まりました。埼玉県にあるトラスト保全地を回り、実際に自然とふれあう中で、私達が自然や歴史的環境を後世に残すための活動は60種以上、皆さんのアイデアで活動の内容は限りなく増えることがわかりました。
 植物1つ1つには名前があって、それぞれが役割りをもち生存していること。自然を理解し、関心を持つことによって自然を維持し、保全する行動が生まれるのだと気づかされました。大切なことはすぐ目の前にあったんだと。
 今後は、トラストのボランティアスタッフとして活動する中で、身の回りの環境にアンテナを張り巡らせ、進士理事長のおっしゃるように「緑」と付き合いながら良き仲間と出会い、協力し、楽しくボランティア活動ができたらと思っています。
 最後に今回の研修でご指導頂きました。牧野先生、大堀先生はじめ講師の先生方、そして共に研修を受講致しました28名の同期生の皆さん、トラスト協会事務局の皆さんに心から感謝致します。
 ありがとうございました。