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第6回 緑のトラスト運動指導員養成研修会
第6回 緑のトラスト運動指導員養成研修会

■平成18年12月14日(木) 10時00分~16時30分
■天気 曇り
■場所 早稲田大学所沢キャンパス
■参加人数   受講生 32名 理事3名 事務局4名
 1時限目は「自然観察指導の視点」という自然観察をしました。観察に出かける前に、1987年にできた早稲田大学所沢キャンバスの概要と狭山丘陵の成り立ちなどの説明を受けました。受講者は大学の構内での学習と言うこともあり、生き生きとした表情で観察場所に向かいました。湿地で悪戦苦闘しながらも、オオタカの営巣場所を観たり、アニメ「となりのトトロ」の舞台になった山之神神社に参拝して観察会を終えました。2時限目は「雑木林の生態学」の講義でした。落葉広葉樹の森を残すこと、地域の自然を守ることがトラスト運動につながることを学びました。3時限目は「埼玉の自然」ということで地名、植物名からその土地を知ることが出来ることや生きものにとって斜面林を残すことの意味を学びました。最後に鳥の解説もありました。

出発前事前講義

観察会に出発

湿地

湿地

普段は入れない場所に入りました

丘の上で

山の神神社

大堀理事の講義

小峯理事の講義


【研修生講義メモ】
自然観察「自然観察指導の視点」 講師 大堀聰理事
事前説明
・B地区 3haの湿地、9ha雑木林、77種の希少種が記録されている。 ・ミティゲーション(影響緩和措置)野生生物の種あるいはその生育・生息基盤である生態系の保全に向けた取り組み。①回避②低減③代償の措置 ・緑→量→質→多様性
観察記録
・武蔵野台地(扇状地)に浮かぶ狭山丘陵。数十万年の風化を受け、谷戸、尾根など地形が複雑多様。・観察された鳥は210種、昆虫3000種・高木層が早く落葉することや芽吹きの時期の違いなど森を観るポイント。芽吹き・・・林床は3月、コナラ4月、ニセアカシヤ5月。

コアジサイ

・ミティゲーションの実践→流路擁壁に透水性コンクリートと玉石を積む→サワガニやホトケドジョウへの配慮。9軒の建売住宅が建つことになった隣接地の購入→自然を守るためにはお金がかかる→50年先、100年先を見ているからできる。 ・埋土種子(土を掘り返す代かきをすることによって)が発芽する。人間が手を入れていたときの多様性。 


流路擁壁

・ミティゲーションエリア、オオムラサキ(エノキ・・・産卵、幼虫は根元の落ち葉で越冬、クヌギ・・・成虫の蜜)、カヤネズミ・・・単子葉の葉を裂いて巣を造る→ススキ、オギ、ミヤマシラスゲ  ・降った雨の89%が地下に入る→地下水が押し出される(成分を調べると分かる)森の手入れをしないと植物が水を使う量が増える。 ・キリは茶畑の遅霜よけに植えられていた。

「雑木林の生態学」 講師 大堀聰理事
・ カヤネズミ8g→湿地の代表→湿地が珍しくなったの希少種に  ・近交弱勢・・・・近親交配を避けるため分散できるネットワークが必要  ・地域の自然を守ることが大切(雑木林=農用林、薪炭林、平地林、里山林、二次林)→人間が手を加えるが自力で再生する林→必然性をいかに見つけるか(課題)  ・三富新田→救荒地→循環型農業  ・ 一見緑が残っているようで調べてみると→次の世代を担うものが乏しい→放棄による落葉から常緑への質的な変化  ・ 萌芽(コナラ・・・一斉萌芽 エゴノキ・・・順次萌芽)  ・林のおおよその大きさは胸高直径をはかり、胸高断面合計(Σπr^2) を求めることでわかる  ・ 町の発展と緑の量は反比例する→緑をつぶして街を造った
・生き物は必ず分散する→分散先の緑を確保する必要→メタ個体群(個体の移動によって相互に関係しあっている局所個体群の集まり)の理論  ・鳥はメスが分散、動物はオスが分散 移動の実体などは血液を抜きDNAを調べることにより(DNA指紋法:DNAフィンガープリント)、血縁関係や出生地からの分散距離などを知ることができる。
・何に重きをおいていくか→緑の質を守るのか、量を守るのか。雑木林(人間と関わり合いながら育てられた二次的自然)を残すのは質を守ること。放置し遷移した常緑樹林を残すのは量的確保になる。  ・どんな植生か、どんな木を伐採したか、どんな生きものがいたかなどを記録していくことは大切。作業の前には現況を記録すること。
「埼玉の自然」 講師 小峯昇理事
植物名を冠した地名はその植物が豊富にみられたことを示す(荻窪、札幌のすすきの)、オギ(湿地を好む)とススキ(乾燥地を好み、株立ちする)の違い 久保は窪に通じる  ・地形図から・・・新しい学校や集合住宅は低地に出来る。 地名の崎は台地の先端、谷は、台地に入り込んだ部分  ・見沼の斜面林は緑の回廊→生きものたちの通り道としての自然  ・春によく見られる ムナグロ(夏羽と冬羽)、秋によく見られるノビタキ(川沿いに移動)とショウドウツバメ(胸にTのマーク)  ・ 小さい鳥は夜に移動、大きい鳥は9~10時上昇気流にのる  ・カモの見分け方・・・メスは似ているのでオスを見つけると分かりやすい。

【研修生感想】
・ 自然を観ることは、調査やデータ、植物の成長の仕方など必要な知識が多くあり、緑の量だけで自然を捉える危険性を感じました。  ・ボランティアとして記録することや自然を観ることの大切さを学ぶことが出来ました。近いうちに保全時の記録をとる実践ができるとうれしいです。  ・生きものたちの通り道としての緑の回廊を生きものの視線になって、保全していくことは、これからの自然保護の上で大切なことだと思いました。