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ウマノスズクサとジャコウアゲハの観察日記
 
 わが家の畑からたくさんのジャコウアゲハが飛び立った。最近は増えてきたが、6~7年前なら、“準絶滅危惧種”に指定されている、めずらしいチョウだから、夢のような光景と思ったであろう。
 

 元々は、ウマノスズクサの花が見たくて、どこにあるのか一生懸命探していた。4年前、先輩に生えている場所を聞き採りに行ったら、見事に刈り取られていた。

 次の年、少し早めに行くとみごとに花が咲いていた。食虫植物のような形をしている。おおきなツツジの木に覆いかぶさるように広がっていた。その時は卵も幼虫の事も全然気にしていなかった。持ち帰り畑に植えた。根付いたかどうか心配していたが、次の年に芽を出した。つる性植物なのに棒には絡まらない。採取地の様子を思い出し、草の上に乗せるようにした。でも、この年はあまり大きくならずに終ってしまった。

 3年目の今年、蔓がどんどん伸びて脇にある背丈ほどのツルウメモドキにかぶさるようになった。

 7月10日頃から咲き始めた花が、20日頃にはつるいっぱいになったともかく、たくさん咲いた。うれしい!!ところが大変ジャコウアゲハが、葉の裏に卵を産み付けた。小さな赤みを帯びたオレンジ色の卵だ。1個や2個ならいいかな?と、思っていたら、またまた大変2~3日で卵だらけ。1枚の葉に5~6個も。そして、アチコチに孵化した幼虫がうじゃうじゃ。私はウマノスズクサの種を見たいと思っていたのに、ギブアップそのうちに幼虫が大きくなり始め、見る見る葉がなくなっていく。ついに茎を食べ始め、葉が付いているのに枯れてしまう始末。ウロウロしだした幼虫達は何処へ行ったのやら・・・・

 8月4日、ふと気付いたら、ツルウメモドキの根元に植えてあったヤブカンゾウの葉に、蛹がついていた。目立つあざやかな黄色だが形は少しグロテスクだ。早速近くを探して、11個の蛹を見つけた。10日位で羽化すると聞いていたのだが、いつ蛹になったか分からない。毎日毎日、カメラを持って畑に通う。もっとも、わが家の目の前だが。トマトとインゲンの収穫をし、蛹の写真を撮り、又昆虫や他のチョウも気になり写す。帰ると画像の整理に明け暮れるという日を過ごしていた。

 そして、蛹に気付いてから10日目の8月14日。朝7時頃見に行ったら、蛹が異様な姿に。もしやもうすぐかな?と、思いながら1時間後に行ったら、羽化して抜け殻の脇に、羽が伸びきらないチョウが居た。がっくり1時間くらいかかって羽を乾かし飛び立った。明日こそ絶対に

 翌日の朝6時半頃、土砂降りの雨の中を足元が濡れるのを気にしながらやっと行ったら、もう2匹が羽化していた。ところが、2mも先のイチジクの、2mも上の葉の裏に、蛹から羽化したチョウが・・。あんなに遠くまで這って(歩いて?)行くことに驚き。見つけた蛹以外から3匹が飛び立つ。良く見ていると、1匹の蛹がうんち?をしている。これはもうすぐか?雨の中さらに2時間位頑張って見張っていたが駄目。そして、又次の日に出向いたが、7時前には羽化している。1匹捕まえて臭いをかいだら確かに臭う。これが麝香の香り?5羽が私の周りを、お礼を言うように舞って行く。

 ウマノスズクサには有毒な物質が含まれているとか。そして幼虫も成虫もこの毒素をもって、鳥の捕食から免れているそうだ。幼虫は見るからにまずそうな色をしているし、蛹の黄色も鳥に対する警戒色だ。私が撮影用に回りの草を退かして目立つようになったのにどうりで鳥は食べに来ないはずだ。でも、分からないのは羽化したのはオスばかりということ。卵の数にしてはメスを見かけなかったし・・。まだまだ分からない事ばかり・・・。

 ウマノスズクサの種は見られなかったが、たくさんのジャコウアゲハが、感謝しながら飛び立って行ったのだから、我慢しよう。来年も草は芽を出すだろう。そして、何処からともなく、チョウが集まってくるだろう。楽しい観察の日々でした。H18年8月17日筆        
  (文・写真 永井啓子)


孵ったばかりの幼虫
終齢幼虫
ジャコウアゲハのオス
飛んでいるオス
飛んでいるメス